モチベーションとは何かを紐解く
モチベーションの仕組みを紐解く
何かを行動する際に必ずといっていいほど出てくるモチベーションという言葉。また、その時々で浮き沈みがあるのがモチベーション。日々の練習や試合を左右するこのモチベーションについて深掘りしていきたいと思います。
モチベーションとはなんなのか?
「やりたいんだけど、いまいちモチベーションが上がらない」
「モチベーションが低くて練習に身が入らない」
なんてことは誰しもが1度は経験したことがあるのではないでしょうか?
私たちは何か行動を起こすときに、必ずといっていいほどこのモチベーションを意識します。では日常的に言葉にしているモチベーション、そもそもどういう意味なのでしょうか?
広辞苑ではこのように記載されています。
https://sakura-paris.org/dict/広辞苑/content/19514_348
- 動機を与えること。動機づけ。誘因。
- 物事を行う意欲。やる気。「―を高める」
モチベーションは何かを行う際の動機を与えるものであり、意欲ということになります。
そんなモチベーション、心理学の世界では「私たちの行動を解明するための重要な概念」として、古くからさまざまな研究が行われ、多くの理論や概念が生まれています。
モチベーションの特性を理解する
モチベーションには特徴があります。
- 動機づける何かがある
- 動機づけが続くことで継続する
- 継続する中で強弱ができる
まず1つ目ですが、何かがないとモチベーションが生まれません。そう、「目標」です。2つ目として、その目標に向かって、モチベーションを使って行動を継続させます。そして3つ目、その行動の中でモチベーションの浮き沈みがあって行動に影響が出ることがあります。
目標を立てた直後は、目標達成に向けて高いモチベーションがあり、すぐ行動に移すことができます。その後少し経って成果があまり見えなくなってきたり、行動に慣れてくるとモチベーションが下がり始める。なんて経験は多くの方がされているかと思います。
モチベーションは目標と密接に関係していることがわかりました。モチベーションを維持するためには、しっかりとした目標を設定することが重要になってきます。
どのように目標を設定すればよいのか?
では、モチベーションを維持するために、どのような目標を設定するのがよいのでしょうか?
それは「より具体的な目標を立てる」ことです。
東京未来大学で、この目標の設定によってどのように結果が変化するか実験により確認した事例があります。
実験では、大学生を対象に3分間の簡単な計算課題を実施しました。つぎに、この成績をもとに、参加者たちを計算能力に差がない2つのグループにランダムに分けて、さらに10分間計算課題を解いてもらいました。その際、一方のグループ(グループA)には「練習試行を参考にできるだけ頑張るように」という指示を与え、もう一方のグループ(グループB)には「練習試行での成績の1.5倍を目ざすように」という具体的で高めの目標を与えました。 結果を比べると、グループBの方が、グループAよりも高い成績を示し、この差は統計的にも意味のあるものでした。
それぞれのグループの中には、計算能力の高い者も低い者も混じっていますが、能力の低い(目標が相対的により高くなっている)者を取り出して成績を比べると、グループBの方がグループAよりも14%近く作業量が上回っていたことも明らかになりました。
https://www.tokyomirai.ac.jp/faculty/motivation/column/invitation/08/index.html
さいごに
いかがでしたでしょうか?
より具体的な目標を設定することで、モチベーションを維持しながら行動していくことができることがわかりました。少し飛躍するかもしれませんが、「目標をどう設定するか」によって、ご自身が望む結果に近づくことができるといえるのではないでしょうか。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
スポーツメンタルコーチ 中田大介