モチベーションとは「楽しむこと」?
モチベーションを維持する「楽しむ」気持ち
前回のブログではモチベーションの仕組みを書かせていただきました。その中で、モチベーションには動機づけが重要だということがわかりました。では、どうやって動機づけをすれば高いモチベーションを保つことができるのかを紐解いていきたいと思います。
モチベーションを左右する動機づけ
モチベーションを左右する動機づけですが、心理学の世界では古くから研究がされており、多くの理論が生まれています。その中でもよく耳にすることが多いものとして、「外発的動機」・「内発的動機」があります。
それぞれどういった意味なのかを簡単にご説明いたします。
「外発的動機」とは
外部からもたらされてるもの(報酬、評価、賞賛など)などの外部からの刺激による動機
「内発的動機」とは
自分自身の興味、関心、楽しみなどからもたらされる動機
https://heisei-ikai.or.jp/column/motivation/
「宿題やったらお菓子食べていいよ」、「この試合に勝てば賞金がもらえる」などと言われるといきなりやる気が出ることがありませんか?
これが外発的動機です。一方で
競技を始めたころに、「時間を忘れて夢中になっていた」、「楽しくて毎日練習に行きたくてしょうがなかった」なんて経験もありませんでしょうか?
こちらは内発的動機になります。
動機づけの特徴を理解する
外発的動機づけ、内発的動機づけ。そんな2つですが、それぞれ特徴があります。
上のグラフのように外発的動機づけはなんといっても瞬発力があります。すぐに目の前のことをやらないといけないような状況などには向いているかもしれません。その代わり、持続力が弱いです。3日坊主なんて言葉もあるように、すぐにモチベーションが下がってしまいます。
その一方で、内発的動機づけはモチベーションが上がっていくのに時間がかかります。その途中で諦めてしまうなんてこともあるかもしれませんが、根気強く継続していくことで上ってしまえば持続していきます。
モチベーションを維持していくには
競技を始めたころは「楽しい」、「心地いい」といった内面的な気持ちが強かったものが、競技レベルが上がりプロになっていくにつれて、そのモチベーションが低下していくというケースは少なくありません。それはプロになりスポンサー、ファン・サポーター、賞金などといった外部要因やステークホルダーが増えてくことが1つの要因ではないかと考えられます。
そんな時は今一度、自分が競技を始めたきっかけや目標について振り返っていただけるとよいのかもしれません。
一般的には、よく内発的動機づけのほうがよいとされていますが、どちらも長所短所があると考えています。もちろん高いモチベーションを維持するためには内発的動機づけが重要です。しかしながら、最初から内発的動機づけがしずらいケースもあったり、外発的動機づけをうまく使うこともモチベーション維持には必要なケースもあると考えています。
例えば、最初のころは「練習やったらお菓子が食べれる」、「試合で勝ったらご褒美を買おう」などといった外発的動機づけによって競技をやっていくうちに「楽しい」、「もっと上手くなりたい」などといった内発的動機づけにシフトしていくこともよいでしょう。
プロアスリートの方の競技を始めたきっかけもこういったケースはあるのではないでしょうか?
重要なことは、入り口は外発的動機づけでも、最終的に内発的動機づけにシフトしていくことが前提になります。ジュニア選手であれば、親やコーチなどの声掛けなども重要になってきます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
モチベーションを左右する動機づけですが、自分自身が感じる「楽しい」といったような内面的な動機づけによって高いモチベーションが維持できることがわかりました。「楽しい」と思えることが具体的にどんなことなのか、振り返っていただけるとよいかと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
スポーツメンタルコーチ 中田大介