競技を「楽しむ」とは?
「楽しむ」ということを改めて理解する
試合前や何か壁にぶつかって悩んでいるとき、「楽しんで」と周りに言われることがよくあるのではないでしょうか?
この「楽しむ」というのはどういうことなのでしょうか。その本質を紐解いていきたいと思います。
「楽しむ」の意味から考える
スポーツ以外にもよく言われる「楽しめ」「楽しんで」という言葉。言われる側としては、状況によっては「そんな楽しむ余裕なんてないわ」、「ヘラヘラ笑ってられないわ」と思うこともあるかと思います。
改めて言葉の意味を見てみます。
「楽しむ」とは
❶ 満ち足りていることを実感して愉快な気持ちになる
❷ 好きなことをして満足を感じる
❸ 先のことに期待をかけ、そうなることを心待ちにする
❹富む、裕福になる
https://www.weblio.jp/content/楽しむ
1つの言葉で、たくさんの意味があることがわかります。
一方で、もう1つ「愉しむ」というものがあるのをご存知でしょうか?
こちらのほうも意味を見ていきましょう。
「愉しむ」とは
何かを心から楽しむ、喜ぶという意味を持つ
https://www.weblio.jp/content/愉しむ
同じ「たのしむ」でも漢字が異なるものもあれば、同じ漢字でも意味がたくさんあることがわかります。
では、「楽しむ」と「愉しむ」の違いはどういうところにあるのでしょうか?
「楽しむ」という言葉は複数の意味がありますが、何かの物事に対して”楽しい”と感じている状態、つまり受動的であると言えるのではないかと思います。
一方で、「愉しむ」は、自分から何か楽しい感情を持って取り組むという状態、こちらは能動的であると言えるのではないでしょうか。
笑うだけが「楽しむ」ことじゃない
「楽しむ」という言葉の意味や違いについて理解できた上で、日々取り組まれている競技の中でどんな時に「楽しむ」ことができているでしょうか?
- できなかった技ができるようになったとき
- 目指していた大会に出場できたとき
- 試合中に狙っていた技ができたとき
- トッププロの華麗な技や演技を観ているとき
こういうときって誰でも楽しくなるのではないでしょうか?周りに言われなくても自然とノってくるし、自然と笑顔になったりすることもあるのではないでしょうか。
一方で、こういう状況だといかがでしょうか?
- スタメン落ち、構想外になってしまったとき
- ライバルと切磋琢磨しているとき
- ケガをしてしまったとき
- 努力してもなかなか結果が出ないとき
スポーツをやっていれば、いいことばかりではありません。こういった出来事もたくさん出てくると思います。むしろこういう状況のほうが、「たのしめ」と声を掛けられたりすることのほうが多いと思います。
こういう状況を自分がどう「たのしむ」のか?「たのしむ」ことでどうなるのか?
「たのしむ」ことの本質とは?
スポーツにおける、さまざまなシチュエーションで自分がどう「たのしむ」のか。私なりにはこう考えています。
「目の前のことを受け入れて、それを消化(昇華)していく」
これができるためには、「楽しむ」より「愉しむ」ほうがよいのではないかなと考えています。
みなさまそれぞれが「たのしむ」ことの答えを持っていると思います。
その思いをぜひ大切に、日々の競技生活を送っていただけたら幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
スポーツメンタルコーチ 中田大介